日本映画

彼岸花(昭和33年)

前年の『東京暮色』までずっとモノクロしか撮っていなかった小津監督による初めてのカラー作品。小津安二郎はトーキーが出てきたときも、サイレントにこだわってなかなか音に手を出しませんでしたが、『彼岸花』は「色」に手を出したことで、小津ワールドがより一層完璧なレベルで表現されています。基本的には、いつもの通り、嫁に行く行かないといった父と娘の物語なのですが、『彼岸花』では母親役の田中絹代がとってもよいアクセントになっています。
外国映画

ジャイアンツ(1956年)

「ジャイアンツ」と言われると、すぐにプロ野球を思い出してしまいますが、原題は"Giant"で、エドナ・ファーバーの小説の映画化作品です。ジョージ・スティーヴンスにとっては、西部劇の名作『シェーン』とともに代表作のひとつ。アメリカにおけるテキサスの歴史や風土を体感することができる大作で、3時間20分の上映時間を我慢できる方にはぜひ見ていただきたい長編映画です。
外国映画

終着駅(1953年)

ヴィットリオ・デ・シーカといえば『自転車泥棒』が有名で、ネオリアリズモと呼ばれる現実直視型の暗い映画が専門のようですが、この『終着駅』はリアルな演出をしながらも、基本線はメロドラマなところが特徴です。ローマのテルミニ駅に着いてから、パリ行きの直行列車が発車するまでの1時間半をほとんど映画の上映時間と同じ尺で描いています。さまざまな人たちが行き交う駅の構内で、不倫の深い仲になった男女がローマに残るのか残らないのかを決めることは、女が夫を捨てるのか捨てないのかにつながります。恋愛映画でありながら、サスペンスフルな展開が楽しめる佳作です。
日本映画

裸の島(昭和35年)

大手映画会社のしがらみから抜け出して、自由に映画を作りたい。そんな大志を抱いて、松竹を退社した新藤兼人が中心になって設立した近代映画協会ですが、設立十年で製作資金が底を尽きてしまいます。解散することになり、最後の作品としてこの『裸の島』が作られることになりました。ところが、翌年のモスクワ国際映画祭で上映されると、世界各国から注目を浴びることになり、協会の累積赤字を解消してしまったそうです。よかったですね、ほんとに。
日本映画

眼の壁(昭和33年)

昭和32年「週刊読売」に連載された原作は、前作の「点と線」とともに松本清張ブームを巻き起こしました。監督の大庭秀雄と主演の佐田啓二は、あの『君の名は』三部作のコンビ。恋愛ドラマ風な作り方から一転して、本作はなかなかハードな出来栄えになっています。予備知識なくなんとなく見始めても、いつのまにか画面に引き込まれてしまう。佳作とまではいかないのですが、隠れた一作です。
日本映画

不道徳教育講座(昭和34年)

原作は三島由紀夫。原作とはいっても小説ではなく、週刊明星に連載された評論集。それをもとに、とある地方都市が文政省による「文教都市」認定審査に合格しようとするドタバタ喜劇にした映画です。でも思わず笑ってしまうなんて場面はほとんどなく、たまに苦笑が漏れ出る程度の喜劇と言ったところでしょうか。
外国映画

リオの男(1964年)

ジャン=ポール・ベルモンドと聞いて『勝手にしやがれ』を思い浮かべる方はアート映画志向なのに対して、この『リオの男』がすぐに思い出される方は娯楽映画志向なのではないでしょうか。それくらいベルモンドにとっての代表作のひとつ!とても楽しい映画で、気分がモヤっているときに見て、頭の中をすっからかんにしてしいまいましょう。
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