昭和三十年代

日本映画

黄線地帯 イエローライン(昭和35年)

新東宝では「地帯シリーズ」とか「ラインシリーズ」と呼ばれる一連の作品群があり、本作は『白線秘密地帯』『黒線地帯』に続くシリーズ第三作にあたります。殺し屋が裏切った依頼主を追って神戸に潜入するという追跡ドラマ仕立てになっています。
日本映画

乾いた花(昭和39年)

石原慎太郎が昭和33年に「新潮」6月号に発表した短編小説「渇いた花」を原作とした作品で、昭和38年に完成していたにもかかわらず、8ヶ月遅れて公開されました。篠田正浩は松竹の監督でしたが、本作は文芸プロダクションにんじんくらぶが製作しています。
日本映画

伊豆の踊子(昭和38年)

川端康成が書いた短編連作「伊豆の踊子」が出版されたのは昭和2年のことでしたが、以来何度も映画化された中で本作は四度目に映画化された日活版です。原作で十四歳と設定されている踊り子を演じたのは、当時十八歳の吉永小百合でした。
日本映画

新源氏物語(昭和36年)

平安時代中期に紫式部が書いた「源氏物語」は現代の作家たちによって現代語訳で出版されてきましたが、本作は雑誌週刊文春に連載された川口松太郎の「新源氏物語」を原作としています。主演は大映を代表する大スター市川雷蔵で、当時三十歳の雷蔵の美貌がカラー映像で残されました。
日本映画

電送人間(昭和35年)

プロデューサー制をとっていた東宝では、『ゴジラ』を製作した田中友幸が円谷英二を特技監督に起用した特撮映画をシリーズ化していましたが、その初期には「変身人間もの」と呼ばれる連作がありました。本作は『美女と液体人間』に続く第二作です。
日本映画

忠臣蔵(昭和33年)

日本の時代劇史上最大最高の鉄板コンテンツとして映画界でも繰り返し忠臣蔵ものが作られました。本作は大映が創立18周年記念としてオールスターキャストで製作したものですが、驚くことにシンプルでドンズバの『忠臣蔵』という題名を持つ忠臣蔵映画はこの大映版のみです。
日本映画

永遠の人(昭和36年)

木下恵介は優秀な脚本家でもあり、楠田芳子がシナリオを書いた『夕やけ雲』以降は深沢七郎の原作を脚色した『楢山節考』『笛吹川』以外はすべて自らの脚本を映画にしています。本作も木下恵介のオリジナルシナリオ作品で『笛吹川』に続けて製作されました。
日本映画

暗黒街の顔役(昭和34年)

ハワード・ホークス監督の「Scarface」(1932年)の邦題が同じタイトルなので混同されることが多いのですが、本作は東宝によるギャングもので、岡本喜八監督によってシリーズ化された第一作で、鶴田浩二が主演をつとめています。
日本映画

宇宙人東京に現わる(昭和31年)

大映が『地獄門』で日本初のイーストマンカラー作品を作り時代劇の衣裳を豪華絢爛な総天然色で映像化してから三年後に、予算がかかるカラーフィルムでSF映画を作ったことも当時としては画期的だったのではないでしょうか。
日本映画

わが愛(昭和35年)

井上靖の小説「通夜の客」を原作としていて、一部では『「通夜の客」より わが愛』というタイトル表示になっています。五所平之助は本作を皮切りとして『白い牙』『猟銃』と井上靖の小説を連続して映画化していて三作ともに佐分利信が主演を務めています。
日本映画

江分利満氏の優雅な生活(昭和38年)

サントリー宣伝部でコピーライターをやっていた山口瞳が婦人画報誌に掲載した連作短編が直木賞を受賞し、それに目をつけた東宝のプロデューサー藤本真澄が小林桂樹樹園で映画化したのがこの作品で、監督は川島雄三からバトンタッチした岡本喜八です。
日本映画

夜の鼓(昭和33年)

近松門左衛門といえば江戸中期(西暦1700年前後)に人形浄瑠璃・歌舞伎の作者として活躍した偉大な戯曲家ですが、近松が書いた「堀川波鼓」(ほりかわなみのつづみ)という三段の世話物を映画化したのが本作です。
日本映画

不良少年(昭和36年)

羽仁進が設立に加わった岩波映画製作所は記録映画を専門に作っていましたが、本作は岩波映画製作所にとっても羽仁進にとっても初めての劇映画です。登場するのは非行経験のある少年たちでもちろん演技経験のない素人ばかりです。
日本映画

血は渇いてる(昭和35年)

『ろくでなし』で監督昇格を果たした吉田喜重はマスコミが「松竹ヌーヴェル・ヴァーグ」と名付けた勢いに乗って監督第二作を公開しました。企業の宣伝広告やマスコミを揶揄する風刺的な社会劇になっていて、マスコミに反転攻勢するような姿勢を示しました。
日本映画

古都(昭和38年)

川端康成は昭和36年から取材のため京都を頻繁に訪れるようになり、同年10月週刊朝日誌に「古都」の連載を開始します。京都を舞台にして姉妹の出会いを描いたこの小説を監督したのは中村登で、松竹では文芸作品を多く発表していました。
日本映画

猟銃(昭和36年)

井上靖の原作を松竹蒲田時代からのベテラン監督だった五所平之助が映画化して、主人公となる従姉妹に山本富士子と岡田茉莉子という当時の二大女優を配し、佐分利信と佐田啓二がからむという豪華な配役となっています。
日本映画

火の鳥(昭和31年)

昭和29年に映画製作を再開した日活は俳優やスタッフを他社から引き抜いて人材を集めている途中でしたが、松竹から移籍したばかりの月丘夢路が主演し、新東宝から移籍してきた井上梅次が監督して伊藤整原作の本作が完成しました。
日本映画

五番町夕霧楼(昭和38年)

時代劇からやくざ映画に移行しつつあった東映が映画化し、東映東京撮影所の所長だった岡田茂が佐久間良子を口説いて大胆な濡れ場を演じさせたことが大いに話題を呼んで年度配給収入第8位に入る大ヒットを記録しました。
日本映画

銭形平次捕物控 人肌蜘蛛(昭和31年)

野村胡堂が書いた時代劇小説「銭形平次」は雑誌連載時から映画化されましたが、長谷川一夫が銭形平次を演じた「銭形平次捕物控シリーズ」が最も多くの作品を残していまして、本作はその第10作にあたります。
日本映画

雪国(昭和32年)

ノーベル文学賞を受賞した世界的作家である川端康成の代表的な小説「雪国」は二度映画化されていまして、本作はその最初の映画化作品です。小説を映画化した文芸作品を多く残している豊田四郎監督作品の中でも本作は特に傑出しています。
タイトルとURLをコピーしました