1940年代

打撃王(1942年)

原題は「The Pride of the Yankees」(ヤンキースの誇り)で、メジャーリーグを代表するチームであるニューヨーク・ヤンキースに在籍したルー・ゲーリッグを主人公にした作品です。ルー・ゲーリッグはベーブ・ルースと同じ時代に活躍した強打者の一塁手でしたが、難病に倒れて四十二歳で夭折しました。
昭和二十年以前

土(昭和14年)

昭和14年の日活映画で、製作当時は15巻・142分の大作だったそうです。その後、フィルムが散逸して、映画の最初と最後が失われたバージョンがドイツで発見され、その93分バージョンが現存版として残っています。
日本映画

必殺仕掛人(昭和48年)

「必殺シリーズ」といえば「必殺仕事人」がすぐに思い浮かぶところですが、TVシリーズのスタートは「必殺仕掛人」。そもそも池波正太郎の原作が「仕掛人・藤枝梅安」ですから、そこに必殺と命名したのがシリーズ第一作となったのでした。
外国映画

007死ぬのは奴らだ(1973年)

ショーン・コネリーは前作『ダイヤモンドは永遠に』でカムバックしましたが、かつての躍動感は失われていて激しいアクションはもう無理でした。そこでハリー・サルツマンとアルバート・R・ブロッコリのプロデューサーコンビは新しいボンド役にイギリス人俳優のロジャー・ムーアを指名しました。ショーン・コネリーとは全く違って軽い快さが持ち味のムーアは、この映画をきっかけにムーアらしいジェームズ・ボンド像をつくっていきます。
昭和二十年以前

大学の若旦那(昭和8年)

この『大学の若旦那』こそ、あの「若大将シリーズ」のモデルとなった作品。実家の大店、大学、運動部、うるさい父親とやさしい妹、学友、そして恋人。若大将シリーズの基本設定はほとんどすべてこの『大学の若旦那』のパクリと言ってよいかもしれません。
日本映画

拳銃は俺のパスポート(昭和42年)

「拳銃」をあえて「コルト」と読ませる、日活アクション映画末期の作品。石原裕次郎は昭和38年に石原プロモーションを設立して自ら映画製作に乗り出していましたので、当時の日活は渡哲也、高橋英樹らとともに宍戸錠が屋台骨として支えていました。鈴木清順監督・宍戸錠主演の『殺しの烙印』も同じ年に作られています。
1940年代

マルタの鷹(1941年)

原作はダシール・ハメット。推理小説においてハードボイルドタッチのスタイルを確立した人で、レイモンド・チャンドラーなどに大きな影響を与えた小説家です。この『マルタの鷹』は小説が発表されるとすぐにワーナー・ブラザーズが映画化権を獲得し、1930年代に二度映画化されていたんだそうです。あえて三度目の映画化に挑戦したのが、初めて監督をやることになったジョン・ヒューストン。そしてそのヒューストンの推薦で主役のサム・スペードを演じたのがハンフリー・ボガードでした。
日本映画

上州鴉(昭和26年)

注目は脚本。ここでも出ました新藤兼人。昭和26年公開作品では、なんと十二本の脚本を書いていますから、超売れっ子というか量産型シナリオライターというかほかに書く人がいなかったというか。その中のひとつがこの『上州鴉』なのですが、しっかりと最後まで見られるのはまさに脚本のおかげ。殺陣から始まって、人情話を盛り込んで涙を誘い、コメディリリーフをおいて笑いもとれる。新藤兼人に任せておけば安心だ、みたいな感じの人だったのかもしれませんね。
1940年代

荒野の決闘(1946年)

こんにちは。大舟シネマ館主よのきちです。今日の映画は、ジョン・フォード監督の『荒野の決闘』です。ジョン・フォードといえばアカデミー賞監督賞を四度も受賞した名監督で、特に『駅馬車』や『黄色いリボン』などジョン・ウェイン主演の西部劇が有名ですよね。ジョン・フォードは、第二次大戦中にはアメリカ海軍の戦意高揚ドキュメンタリーを撮っていたので、この『荒野の決闘』は、戦後における劇映画への復活作品でもありました。そのためなのか、西部劇なのにドンパチガンファイトシーンが少なくて、ある意味で恋愛映画ともいえるようなロマンチックかつのどかな雰囲気を湛えた作品になっています。1881年にトゥームストーンのOKコラルで実際に起こった銃撃戦に向けて物語が進みますが、主役のワイアット・アープをやるのがヘンリー・フォンダ。相方となるドク・ホリディはヴィクター・マチュアが演じています。
1940年代

救命艇(1944年)

原作者としてクレジットされているジョン・スタインベックは『怒りの葡萄』や『エデンの東』を描いた小説家で後にノーベル文学賞を受賞する大家。この大御所にヒッチコックはシナリオを依頼したのですが「使い物にならない」とほとんどボツにして、最終的にはジョー・スワーリングというシナリオライターの脚本を採用したそうです。船が撃沈されて遭難した九人が乗ったライフボート。その小さな救命艇の中だけで1時間半が進行するある意味での密室劇で、まるで舞台を見ているような緊迫感があります。
タイトルとURLをコピーしました