外国映画 プレイタイム(1967年) 前屈みで膝を曲げずに歩くレインコート姿のユロ氏。ジャック・タチが自ら演ずる『ぼくの伯父さん』が、この映画にも登場します。けれども本作の主役は、そのユロ氏ではなく、映画の幾何学的でガラス貼りの建築物が建ち並ぶ近未来都市。パリの一角にあることは間違いないのですが、パリらしさのない、見知らぬ街。アメリカからやって来た観光ツアーの団体と一緒になって、この不思議な街を見物しましょう。 2021.10.02 外国映画1960年代
外国映画 タワーリング・インフェルノ(1974年) 1970年前後のアメリカは長期化するベトナム戦争の真っただ中で、ハリウッドも娯楽に徹した作品を打ち出しきれずにいました。そこに登場した新しいジャンルがパニック映画。戦う相手が自然災害や大規模事故なので、戦争賛成・反対などの政治色を出さなくて済みますし、困難に立ち向かう人びとをドラマチックに描くこともできます。たぶん最初のパニック映画は1970年の『大空港』だと思いますが、ブームの火付け役は1972年の『ポセイドン・アドベンチャー』。そしてその火を業火のごとく燃え上がらせたのが、この『タワーリング・インフェルノ』でした。 2021.09.27 外国映画1970年代
外国映画 トラ・トラ・トラ!(1970年) 「トラ・トラ・トラ」は日本軍による真珠湾攻撃の開始を伝える暗号文。映画の中でも、田村高廣演ずる淵田中佐がゼロ戦の機上から「トラトラトラや」と叫ぶ場面がありました。あくまで「奇襲」が成功したことを伝えるもので、攻撃の成功を報告するものではないんですね。日米合作にあたっては、大変な紆余曲折があり、中でも黒澤明の降板が大きな話題になりました。 2021.09.27 外国映画1970年代
外国映画 007ドクター・ノオ(1962年) ジェームズ・ボンドがはじめて映画に登場。以来五十年も映画界を代表するヒーローとして活躍し続けています。ボンドガール、車、銃器、欧米以外の国、タキシード、酒、タイトルデザイン。007シリーズのエッセンスはすべてこの第一作に詰め込まれていたんですね。誰もが知っているギターリフのテーマ曲はモンティ・ノーマンの作曲。映画史上最も有名な主題曲ではないでしょうか。 2021.09.25 外国映画1960年代
外国映画 ジャイアンツ(1956年) 「ジャイアンツ」と言われると、すぐにプロ野球を思い出してしまいますが、原題は"Giant"で、エドナ・ファーバーの小説の映画化作品です。ジョージ・スティーヴンスにとっては、西部劇の名作『シェーン』とともに代表作のひとつ。アメリカにおけるテキサスの歴史や風土を体感することができる大作で、3時間20分の上映時間を我慢できる方にはぜひ見ていただきたい長編映画です。 2021.09.23 外国映画1950年代
外国映画 終着駅(1953年) ヴィットリオ・デ・シーカといえば『自転車泥棒』が有名で、ネオリアリズモと呼ばれる現実直視型の暗い映画が専門のようですが、この『終着駅』はリアルな演出をしながらも、基本線はメロドラマなところが特徴です。ローマのテルミニ駅に着いてから、パリ行きの直行列車が発車するまでの1時間半をほとんど映画の上映時間と同じ尺で描いています。さまざまな人たちが行き交う駅の構内で、不倫の深い仲になった男女がローマに残るのか残らないのかを決めることは、女が夫を捨てるのか捨てないのかにつながります。恋愛映画でありながら、サスペンスフルな展開が楽しめる佳作です。 2021.09.23 外国映画1950年代
外国映画 リオの男(1964年) ジャン=ポール・ベルモンドと聞いて『勝手にしやがれ』を思い浮かべる方はアート映画志向なのに対して、この『リオの男』がすぐに思い出される方は娯楽映画志向なのではないでしょうか。それくらいベルモンドにとっての代表作のひとつ!とても楽しい映画で、気分がモヤっているときに見て、頭の中をすっからかんにしてしいまいましょう。 2021.09.20 外国映画1960年代