ROMANCE

外国映画

夏の嵐(1954年)

監督のルキノ・ヴィスコンティはイタリア貴族ヴィスコンティ家の出身で、映画監督になってからはデビュー作をはじめ『揺れる大地』や『若者のすべて』でネオリアリスモ調の作品を発表していきます。その中でこの『夏の嵐』は貴族と軍人を扱っていてヴィスコンティ自身の出自や経験が色濃く反映されたはじめての作品でもありました。
外国映画

追憶(1973年)

70年代前半のハリウッドで最も注目を集めていた超人気俳優の共演ということだけで大いに話題になった作品ですが、その内容は単なる恋愛ストーリーではなく、第二次大戦前後の政治を動きを背景とした社会劇でもありまして、そこに監督のシドニー・ポラックと脚本のアーサー・ローレンツのこだわりが強く反映されています。
昭和二十年以前

港の日本娘(昭和8年)

清水宏は昭和初期のモダニズムを体現した監督でしたから、本作も主人公がヘンリーでその妻がドラという役名になっているなど、横浜を舞台にして日本らしくない洋風の装いの作品になっています。
外国映画

アルフィー(1966年)

本作は1964年に初演されたビル・ノートン作の舞台劇がもとになっていて、ロンドンやブロードウェイで上演されて人気を博していたそうです。舞台でアルフィー役をやっていたテレンス・スタンプが映画出演を拒否したため、マイケル・ケインが主人公に収まり、結果的にマイケル・ケインの出世作になりました。
1940年代

哀愁(1940年)

アメリカ映画なのですが、舞台は第一次世界大戦中のロンドン。戦地に赴く大尉とバレリーナがウォータールー橋で出会い、最後には別れが訪れる悲恋ものです。主演のロバート・テイラーとヴィヴィアン・リーはともに美男美女としての絶頂期。ハリウッドらしい恋愛映画の王道を行く名作となっています。
日本映画

月は上りぬ(昭和30年)

日本映画における初の女性監督は戦前の坂根田鶴子という人だそうで、田中絹代はその坂根田鶴子に次いで、日本映画では二番目の女性監督となりました。本作は、監督デビュー二年後の昭和30年に製作された田中絹代の監督第二作となります。
日本映画

しなの川(昭和48年)

不況感が漂う世相を背景に、上村一夫のマンガ『同棲時代』が大ヒット。映画化も成功して松竹は由美かおる主演でその二番煎じを狙います。しかし結果的にコケてしまったのがこの『しなの川』でした。
外国映画

終着駅(1953年)

ヴィットリオ・デ・シーカといえば『自転車泥棒』が有名で、ネオリアリズモと呼ばれる現実直視型の暗い映画が専門のようですが、この『終着駅』はリアルな演出をしながらも、基本線はメロドラマなところが特徴です。ローマのテルミニ駅に着いてから、パリ行きの直行列車が発車するまでの1時間半をほとんど映画の上映時間と同じ尺で描いています。さまざまな人たちが行き交う駅の構内で、不倫の深い仲になった男女がローマに残るのか残らないのかを決めることは、女が夫を捨てるのか捨てないのかにつながります。恋愛映画でありながら、サスペンスフルな展開が楽しめる佳作です。
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