清水宏

昭和二十年以前

恋も忘れて(昭和12年)

清水宏監督は前年に『有りがたうさん』、本作を公開したあとに年末には『風の中の子供』を製作していて、自然の中でのロケーション撮影を行った二作と比べると、この『恋も忘れて』は松竹蒲田時代のサイレント作品『港の日本娘』に近いテイストに仕上がっています。
昭和二十年代

都会の横顔(昭和28年)

ルイ・マル監督の『地下鉄のザジ』ってこの映画のリメイクなんではないかと思ってしまうほどで、ストーリーはないけど銀座の街と人を点描していく手法は昭和28年において清水宏が実現していたのでした。再発見されるべき作品のひとつではないでしょうか。
昭和二十年以前

風の中の子供(昭和12年)

映像自体はレストアされていないバージョンで見たので鮮明さには欠けていたものの、本作がもっている映像の端正さというか瑞々しいまでの清廉さは本当に見事というしかなく、こんな傑作が今日的な映画批評の中で埋もれてしまっているのがもったいない気がしてなりません。
昭和二十年以前

港の日本娘(昭和8年)

清水宏は昭和初期のモダニズムを体現した監督でしたから、本作も主人公がヘンリーでその妻がドラという役名になっているなど、横浜を舞台にして日本らしくない洋風の装いの作品になっています。
昭和二十年以前

大学の若旦那(昭和8年)

この『大学の若旦那』こそ、あの「若大将シリーズ」のモデルとなった作品。実家の大店、大学、運動部、うるさい父親とやさしい妹、学友、そして恋人。若大将シリーズの基本設定はほとんどすべてこの『大学の若旦那』のパクリと言ってよいかもしれません。
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